総合ニュース
2014-05-29 11:46
安全後進国:韓国のナイトクラブ、非常口は機能せず
週末になると毎晩のように数百人の若者が所狭しと集まるダンスクラブは、特に非常用施設の管理が徹底されるべき場所だ。中は非常に暗く、音楽の音量は会話ができないほど大きい。さらに室内での喫煙を黙認しているため火災の危険性と隣り合わせである上、多くの顧客が飲酒状態にあるため非常時に対処能力に欠けるのだ。
4月30日夜、ソウル市麻浦区西橋洞と竜山区梨泰院にある4カ所のダンスクラブを回ってみたところ、1カ所を除いて全ての店舗で非常口がなかったり鍵が掛けられたりしていた。地下のクラブに降りる狭い階段が唯一の出入口であると共に非常口となるわけだ。これは「66平方メートル以上の多重利用業店は出入口以外にも非常口を設置しなければならない」という現行法(多重利用業店の安全管理に関する特別法)に触れる。2013年に232人が死亡したブラジルのナイトクラブでの火災、2009年に152人が犠牲となったロシアのナイトクラブでの火災は、いずれも出入口が一つしかなかったために被害が拡大した。
同日午後10時30分ごろ、ソウル市麻浦区西橋洞にあるCクラブでは、平日であるにもかかわらず約150人が踊りを楽しんでいた。週末には300人を超えるものと思われる。来店客のうち30人以上がたばこを吸っていた。クラブの片隅から出てくるドライアイスの煙も入り混じって前が見えなくなるくらいだった。麻浦区役所によると、西橋洞のダンスクラブは一般の飲食店として登録されており、室内での喫煙が禁止されている。
火災が発生したと仮定して舞台の中央から誘導に従って非常口まで行ってみたが、前が見えないため1分10秒もかかった。いざ非常口に着いてみると、案内灯が消えていた上、ドアにも鍵が掛かっていた。
同クラブで聞かれる音楽の音量をスマートフォンの騒音測定アプリで測定したところ、約110dB(デシベル)だった。通常の非常ベルが約90dBであることを考慮すると、非常ベルが鳴っても聞こえないくらいの音量であることが分かる。同クラブの消火栓は大型エアコンとアンプに遮られて見えなかった上、有事の際のホースの取り出しも困難に思われた。クラブの床には音響機器に接続されるケーブルが幾重にも絡まったまま置かれており、顧客はその床にたばこの吸い殻を捨てていた。クラブで出会った女子大生のキムさん(24)は「正直クラブの構造がどうなっているのか、非常口がどこにあるのか分からない。『まさか火災が発生するわけはない』とは思うが、実は少し心配」と話した。
西橋洞にあるNクラブは、幅約1メートルの狭い階段の出入口以外には非常口が見当たらなかった。同クラブで踊っていた約50人のうち、喫煙者は半数を超えていた。クラブの真ん中でたばこを口にくわえたまま踊っている人もいた。消防防災庁の関係者は「そのくらいの規模のクラブなら、必ず非常口を設けなければならない。非常口を封鎖したか、隠してしまった可能性が高い」と話した。
ナイトクラブの様子
週末に約200人が訪れる梨泰院のUクラブは、一番奥の片隅に非常口があった。非常口を開けてみると70度近い傾斜の鉄製のはしごが設置されていた。このはしごが外部に通じる非常口につながっていたが、はしごを上ってみると非常口には鍵が掛けられていた。
ソウル科学技術大学安全工学科のイ・スギョン教授は「非常施設は常に最悪の状況を念頭に置いて管理されなければならないが、韓国では『火災が発生したわけでもないのになぜ非常口を開けておかなければならないのか』といった具合だ」とした上で「根本的に意識を変えなければならないし、非常口に鍵が掛けられていた場合は関係当局に通報する市民意識も必要だ」と指摘した。
朝鮮日報より
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