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民団ニュース
2022-08-01 17:27    
2022年 韓日関係フォーラム 「在日韓国高齢者の福祉的課題と今後の展望」
 駐大阪大韓民国総領事館(趙成烈総領事)は7月29日、大阪韓国人会館(民団大阪本部/大阪市北区中崎2-4-2)5F大ホールで2022年韓日関係フォーラム「在日韓国高齢者の福祉的課題と今後の展望」を開催した。二部構成/対面+オンライン(Zoom)で行われ、在日韓国人高齢者の福祉問題について同胞市民団体及び民団の活動事例を中心に現状の課題と今後の展望について活発な議論が交わされた。約60名が聴講した。総合司会は民団大阪本部の任徳和・組織副部長が務めた。
 午後3時から開かれた韓日関係フォーラムの開会にあたり趙成烈総領事は、「韓国総領事館は昨年12月、在日韓国人の雇用と福祉問題をテーマに専門家懇談会を開催したことがあります。この懇談会を通じて、在日韓国人高齢者の福祉問題についてより多くの同胞及び団体の関心と参加が必要であると認識するようになりました。こうした認識を持って悩む中、在日韓国人高齢者福祉問題に同じ志を持ち、地域で地道に実践活動を展開している同胞活動家の方々に出会いました。各自が置かれている環境で様々な制約を克服し、高齢同胞を支援してこられた方々の経験と問題意識を共有することは、在日韓国人高齢者問題に対応するにあたり示唆を与えてくれると思います」などと挨拶し、「一度のフォーラムと議論ですべてを把握し、完全な解決策を見出すことはできないと思います。ただ、今日のこのフォーラムが時間が経つにつれ、ますます切実な課題とし迫ってくる在日韓国人高齢者福祉問題について私たちが一緒に考えて同胞社会全体の問題として対応策を模索する契機になれば、それだけでも大きな意義があると思います」と述べた。

駐大阪大韓民国総領事館 趙成烈 総領事


〇第1セッション 「在日韓国高齢者の福祉的課題」
司会/川端麗子・神戸女子大学健康福祉学部社会福祉学科准教授(特定非営利活動法人IKUNO・多文化ふらっと理事)

 フォーラムの第1セッションのテーマは「在日韓国高齢者の福祉的課題」。高敬一・NPO法人在日コリアン高齢者支援センターサンボラム理事長「なぜサンボラムが必要なのか?」、鄭貴美/特定非営利活動NPO法人うり・そだん理事長「100歳時代を生きるー『福祉』は私らしく生きる、あなたらしく生きる支援」、そして・武直樹大阪市会議員(NPO法人いくの市民活動支援センター代表理事)「地域共生社会の実現に向けて 生野区の取り組みから」の発表があった。同胞市民団体の活動事例を中心に在日韓国人に特化した高齢者支援サービスの必要性を確認し、現在、日本の高齢者支援システムがこのような必要性にどれほど応えているかを分析しアピールした。高敬一理事長と鄭貴美理事長の現場事例紹介と武直樹市議の日本システムに対する説明を通じて活発な議論が展開された。
 今後の展望について高敬一理事長は「棲み分け」と「共生」、▽「終の棲家」、▽世代交代とニューカマー1世への対応、▽多民族福祉への試金石として、を挙げた。また、武直樹市議は今後の課題として「多文化共生について検討できる協議の場(プラットフォーム)の構築が必要」と強調した。

高敬一 NPO法人在日コリアン高齢者支援センターサンボラム理事長


鄭貴美 特定非営利活動NPO法人うり・そだん理事長


武直樹 大阪市会議員(NPO法人いくの市民活動支援センター代表理事)


〇第2セッション 「民族団体の取り組みと今後の展望」
司会/鄭貴美/特定非営利活動NPO法人うり・そだん理事長

 セッション2のテーマは「民族団体の取り組みと今後の展望」。朴清・社会福祉法人ハナ集いの家ムグンファ施設長「民団支部における介護事業」、李基安・特定非営利活動法人南京都福祉センター理事長「民団京都の福祉について」、崔俊一・民団大阪本部生活文教部長 「民団における高齢者福祉事業とは?」、川端麗子准教授「在日コリアン高齢者福祉の福祉的課題と民生委員活動から考える多文化ソーシャルワーク」の発表があった。国内最大の同胞組織であり求心点でもある民団が高齢同胞支援のために展開してきた様々な活動を通じ、その成果を継承・発展させるために必要な課題を考察。朴清施設長と李基安理事長、そして崔俊一部長が民団の努力と課題について説明し、川端麗子准教授は学問的研究にもとずいた洞察力に富んだ提言を行なった。


李基安 特定非営利活動法人南京都福祉センター理事長


崔俊一 民団大阪本部・生活文教部長


川端麗子 神戸女子大学健康福祉学部社会福祉学科准教授(特定非営利活動法人IKUNO・多文化ふらっと理事)

 このうち朴清施設長は、「今、民団が疲弊していく中で、何が必要かとなりますが、どこの支部も異口同音に『お金がない』『人材が居ない』と言われますが、今やその通りです。団費集金がドンドン減っていく中で、何もしない状態では解決できないのではないでしょうか。色々と難しい事がありますが、是非、民団本部の社会福祉法人格を使って模索して頂きたいと思います。八尾支部の通所介護・デイサービス、高槻支部の保育事業のように」と語り、締めくくりとして「社会福祉法人格を使うことで大幅な税制優遇が受けられます」「支部のイベント等々参加と支部の財政面にも潤います」と結んだ。







    
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