「反ヘイト活動の現状について」と題して講演した趙學植弁護士は、2013年に東京・新大久保で起こり、その後、大阪・鶴橋など全国各地に波及して行った「カウンター抗議」行動について、少数の勇敢な抗議者らではなく、市民による大規模な抗議活動の展開であり、「日本人マジョリティー vs 在日マイノリティー」という構図ではなく「差別主義者たち vs 差別に反対する者たち」という構図だと分析。社会的動向/日本国政府や国連人種差別撤廃委員会による反応にふれた後、2016年5月「ヘイトスピーチ解消法」が成立して一年が経ち、「ヘイト」は40%減少したとして、川崎や大阪でのヘイトデモ・街宣差止仮処分の事例を紹介。今後の動勢としては、差別主義者たちの政党結成などの動向、全国各地での「人種差別撤廃基本条約」成立に向けた動き、インターネット上でのヘイトスピーチへの対処の困難さと必要性を強調した。